4章:あの事件ととんでもない告白

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「みゆ?」  先輩の声が聞こえて、目を開けると、大人の先輩が目の前にいた。  あ、そうか。あれから、タクシーでまた自宅に送ってくれたんだ。  今日はなんだか、自宅までタクシーで行ったり来たりしている気がする。 「あ、ありがとうございました。ウトウトしちゃって……。それに、結局またタクシーで送ってもらって……先輩疲れてるって言ってたのに」 「あんなの嘘だよ」  先輩ははっきり言う。 「え……」 「運転手さん、申し訳ありません。少し待ってていただけますか?」  先輩はそうタクシーの運転手さんに告げると、私を連れてタクシーを降りる。   「家、変わってないね。高校時代みたい。ま、あの頃は徒歩だったけど」 「……」  その声に、思わず押し黙ってしまった。  先輩もまだ、覚えてたんだ……。私はずっと覚えてた。さっきも夢に見た。これまでも思い出さない日はなかった。 「指輪はうちに置いとくよ。その代わりにこれ」  そう言われて掌にカードを渡される。 「カード?」 「うちのマンションのカードキー」  そう言われて、慌ててそのカードキーを先輩に突き返す。 「いいいいいいいりません!」 「まぁ、そう言わずに。倉庫とでも思ってくれたらいいから」 「あんな大きな倉庫も、高級な倉庫も、必要ありませんから!」 (この人、ホント何考えてんの⁉)
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