1章:最悪な再会とあの日の続き

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 その日、会社に行ってみると、私の平凡な毎日は一変していた。 「ちょ、みゆ! 大変!」  会社に着いたとたん、同期入社で、大学からの友人である深山成美が走ってきた。成美はおっとりしているので一緒にいて心地いいし癒される。  その成美が慌てているので、その様子に嫌な予感だけはする。  カバンも置けないでいるまま、どうしたの、と問うと、 「うち、なくなるらしいよ!」 と成美は続けた。 「まさか倒産⁉」  たしかに業績はゆっくりと右肩下がりだった。総務は経理も行うからこそ知っている。  でも、つぶれるほど悪かったかと言えば、そんな風にも見えなかった。 どこの飲料メーカーもなかなかヒットを飛ばせない中、ある乳酸菌飲料の新商品の売り上げが伸びてきていたからだ。 「それが……倒産ではないみたい」
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