海鳥使いと狩人の旅

5/24
前へ
/24ページ
次へ
 二人の会話を聞いていた男性エリックが近づいてきて、「お前たち、ここで 働いてみないか?仕事の合間に、俺の持っている本を読んでやる。部屋の掃除や料理を作ることから教えるぞ」と声をかける。  ハリーとフロイデは「はい!」と答えた。「よろしくな、ハリー、フロイデ」エリックは片目をつむって笑みを見せた。  二カ月後のある日、テーブルをふいていた二人のところにエリックがやってきて、「お前たちに頼みたい。俺の娘を救出してほしい」と言った。  「彼女は6歳で、今はこの宿の外の地下にある牢屋のどれかに入れられている。番兵たちが見張っているから、気を付けてくれ」  「ハリー、どうする?」「行こう」二人は階段を下り、中へと入っていく。 一番奥の牢屋に、父と同じ茶色い髪と切れ長の目を持ち、緑のワンピースを着た少女がいた。  「はじめまして。私はフロイデ、こっちはハリー。あなたは?」「エマ」 「お前の父さんが待ってる。ここから出ようぜ」ハリーが鍵を開けた時、番兵たちが追って来た。  外に出て宿に戻ると、エリックが娘を抱きしめる。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加