海鳥使いと狩人の旅

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 二章 「多人種国家エーラ」  二人は東洋やイギリスなど様々な人が行きかい暮らす国エーラの飲食店に入り、昼食をとっていた。テーブルの上には鶏の酒蒸しやカリーブルストなどが 並び、男たちが酒を飲んでいる。  ハッシュドポテトを食べているハリーをちらりと見て、「それ脂っぽいんじゃない?おいしいの?」と聞くと、「ああ。母さんが作ってくれるものと 同じ味だ」と嬉しそうに答えながら完食して手をふく。  「私は脂っぽいものが苦手。ノースオルカにいた時、切り身や干した魚もあまり食べてなかった」「食べてみろよ。この酒は料理酒っていうんだけど、 香りをつけるために使われるんだ」  フロイデは酒蒸しに塩をつけ、フォークで口に入れる。あっという間に 食べ終えてしまった。  「おいしい。あっさりしてる」「オレはポン酢が好き。父さんもたまに来るんだ」「どんな人?」  「ウサギやシカの毛皮でコートを作ったり、野菜や肉の煮込みスープをお昼に出してくれたりした。オレも作れるぞ」  「今度作って」ハリーは嬉しそうに「おう!」と答え、カリーブルストを食べ終えた。
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