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二人は古着屋でズボンや帽子などを買い、紙袋をベンチに置いていた。
「子供用と大人用の服、両方買えてよかった」「お金はまだ残ってる?」と
フロイデが聞くと、「ああ。なるべく使いすぎないようにしてるから」と答え、買った帽子をかぶる。フロイデも白い髪を結び、つばで隠した。
「父さんなんて嫌い!私と親しかったハーフの女の子とその両親をノースオルカから追放したの」エリックの知り合いの男性がいるというレストランの前で、フロイデは夜景を見つめながらハリーに言う。
「彼女から手紙が来たんだろ?」「うん。北のほうの街にいるんだって」
と答え、フロイデがドアをたたくと、青緑色のエプロンをつけた茶髪で長身の男性が出てきた。
「ピアチェーレ(はじめまして)!お前たちがハリーとフロイデか。俺はアレックス、ここでピッツァやジュースなどを出してる。
まずは俺がピッツァを一枚作るから、お前たちは二枚作って、焼いてみてくれ」と言って、彼は二人を店内に入れてから生地を伸ばし、トマトやチーズなどを乗せてオーブンに入れる。
焼きあがったピッツァからは湯気が出ていて、かじると焦げたチーズが伸びていく。
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