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14
粘液が混ざる。擦れる淫靡な音が資料準備室に響く。一条の上で田中一葉は拙く腰を振っていた。軋むパイプ椅子に座って彼女の小ぶりな尻を掴んだ一条は、彼女の奥へ擦り付けるように引き寄せる。田中は頸が見えるほどの長さの黒髪を振り、ビー玉のような目をぎゅっと瞑っていた。
「先輩…あっ、気持ちいい…」
そう喘いで田中は彼の肩に手を置く。それを掻い潜るように一条は彼女の腋を舐めた。バスケ部の服はノースリーブで、白い光沢のある素材に黒い字で『MUTSUISHI』と書かれている。六石学院高校は運動部が強かった。
田中一葉は2年生ながらにキャプテンを務めており、関東大会ではチームを準優勝に導く手腕を持っている。関係を持ってから半年、一条は大会の様子も何度か見ていた。
普段はボーイッシュで張り切る彼女が今自分の上で淫らに喘いでいる、そのギャップを改めて考え直し、一条は腰の辺りに溜まった靄のような欲を打ち付けた。
「どうだ、一葉。」
「気持ちいい、けど、まだ…です…」
「そっか。じゃあ、あっち向いて。」
腰の動きを止め、彼の上に跨った田中を回転させる。両足の間に足をついた彼女は、露わになった一条の太ももに手を置く。背後から差す橙の光に照らされた彼女の後ろ姿は絶景だと一条は感じた。上は普段精を出しているバスケ部のユニフォームで、下はハーフパンツとショーツを脱いだ肌。控えめな尻が上がると結合部の密林が見える。濡れた林は白い粘液に塗れて、ずるずると一条自身を呑み込むと彼女は背中をしならせた。
「あっ、先輩、これやばいです。」
騎乗位で絶頂を迎えられない、そんな彼女の悩みがもうすぐで解決することに一条は喜びを感じていた。
ゆっくりと腰を突き上げると、尻の真ん中で赤い菊の門が微かに痙攣しているのが見える。その時に一条は妙な感覚を覚えた。
背を向けて淫らに腰を振る田中のシルエットに、別の誰かが重なる。ぼんやりとしたその後ろ姿は露木萌華だった。
彼女はどんな風に喘ぐのだろう。彼女の秘部はどうなっているのだろう。何故かふと浮かんだ露木への妄想が胸を満たした時、それまで燻っていた腰回りの靄が徐々に形になった。
「やばい、いきそうだ。」
「私もいきそう、です、ああっ」
陰部への直接的な刺激ではなかった。射精へと誘うものが露木への妄想であることに、一条は疑問を抱きながらも欲望には勝てなかった。
どくんと脈打ち、臀部の筋肉が硬直する。数回痙攣して細い管を介し、一条は深々と射精した。ほとんど同じタイミングで田中も絶頂した。
「すごい、いけました…。」
余韻を交えて濡れた声を漏らす。恐る恐る腰を高く上げると、くたびれた陰茎が避妊具の先端の重みで項垂れた。
「はぁ…気持ちよかったです、一条先輩。」
「ああ、よかったな。騎乗位でいけて。」
宥めるように一条はそう言ったが、消えてしまった露木の後ろ姿の幻を脳裏に刻んでいた。何故行為の最中に彼女の姿が浮かんだのか、一条は避妊具を取り外しながら考えていた。
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