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ーあっ!
ーなんだよ、もう、ビックリさせるなよ
ー思い出したよ、ひとつ
彼女はうっとりしながら話し出す
ーあれはね、私が好きなそよ風が吹いているとき。少年が私と私の仲間たちを手に取り、少女に渡したような……
彼女は言葉に詰まる
ーこれ以上は思い出せないのよ
ーそういえば、僕も思い出したよ。少年と少女がはしゃいでて、僕をがんじがらめにしたんだ。
殺されるのかと思いきや、食べ物をくれたり。
なんか優しくしてもらったような……
ーその後は?
ー覚えてない。少年と少女の笑顔はぼんやり覚えてるけど、気がつくとこの暗闇さ
ーそういえば、私もふたりの顔はおぼろげに覚えてるような……
それにしても、なんかよくわかんないわね。
ただ ここは温かくて気持ちいいな。無風なのが物足りないけど
ー僕は少し寒いけどね
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