7人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「席座れよー」
カラ…と静かに教室の扉が開いて、先生が入ってきた。
教室が一騒ぎしてみんながそれぞれの席につく。
理緒も窓側の席に腰かけていた。
太もものあたりまである髪を背もたれに引っ掛けている。
天使の輪がてらてらと輝く。
「全員いるなー?今から始業式だ、準備しろー」
先生の適当な出席チェックを何となく聞き流して彼女の方を見た。
「あははっ!それなw」
「だよね、やっぱ理緒は話分かるなぁ」
「まあ、天才ですから☆」
「おい〜!w」
「wwww」
友達と楽しそうに会話している。
彼女が笑う度に、つやつやの黒髪が揺れてレモングラスのシャンプーの香りがする。
本当に、可愛い…
「ちょ、航大あとお前だけだぞ」
良き理解者である、若森笑弥に催促されて僕は体育館シューズを掴んだ。
最初のコメントを投稿しよう!