6人が本棚に入れています
本棚に追加
「きゃぁーーーっ!」
「だ、誰か落ちてきたぞ!」
「と、飛び降りだ!」
窓の外から悲鳴が響き渡る。
長沢と山本は窓を開け、顔を出して下を覗き込む。
コンクリートの中庭に、ありえない方向にねじ曲がった血塗れの死体。
「お、おい……
あれって……」
「カモ……吉だったよな」
二人の背筋は凍りつく。
だが、確認しないわけにはいかない。
顔を見合わせ、生唾を飲み込み、震える息を合わせて「せーの」で振り返る。
「い……」
「いない……」
先程まで絡んでいた同級生の姿は消えていた。
「じゃ、じゃあ………」
「やっぱりあれは……」
もう一度見返す勇気の出ない、先程の死体を思い返した時、二人の耳元に声が囁く。
「正解は、僕は十六歳にはなれない。
君たちのせいで」
最初のコメントを投稿しよう!