三葉

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三葉

ナヒトは上手くやっているだろうか。 時刻は朝の6時。ロフトベッドの上で寝転がりながら、三葉はふとそんな事を考えていた。 「…っと、そろそろ支度しないと。」 今日は朝から会議がある日だ。遅刻するわけにはいかない。そんな事を考えながらロフトベッドの梯子を降りると、冷蔵庫を開けてペットボトルの水を直接飲んだ。 「しかし、変な事になったなぁ…」 三葉は数日前の事を思い出す。 その日、いつものように仕事から帰ってくると、近所のアパートの階段に猫が1匹箱座りしていた。この辺りで猫を見かける事は殆どない為、珍しいなぁと思いながら目の前を通って自宅へ向かった。すると、その猫はすっと立ち上がると、私を追って歩き始めたのだ。 「なに?食べ物なら持ってないわよ。」 家まで着いてこられるのも、面倒だ。そう思い追い払おうとしたのだ。が、 「アンタに用があるの。」 「え」 頭が真っ白になった。なんせ道端の黒猫が私に話しかけてくるのだから。最近仕事が忙しかったから、遂に幻聴まで聴こえる様になってしまったのかと思った。 だが、直ぐに幻聴ではない事が分かる。 黒猫は真っ直ぐ私の目を見つめて、弟を、 "真田四葉"を救う為に協力してほしいと言ったのだ。
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