恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】

迷い

ご両親の家に挨拶に行ってから2か月ほど経過した。

そんなある日の日中、千秋さんが仕事で家を空けている間、家事をしながら勉強をしていると、インターホンが鳴った。
すぐに確認すると、そこに立っていたのは久しぶりに会った雪乃さんだった。

どうしたのだろうと思って応答すると

「今日は大切なお話があってきました。二人でお話、できませんか」

高めの声がインターホンから聞こえ、私は迷ったけどオートロックを解除した。千秋さんがいない時に家に上げるのもどうなのかと思ったが、彼女ははっきりと私と話がしたいと言った。

何かあれば千秋さんに相談すればいい、この時はそう簡単に考えてしまっていた。

「どうぞ」
「お久しぶりです。突然すみません」

ドアを解除すると、以前会った時よりも髪が短くなった印象の雪乃さんが顔を出す。
彼女は相変わらず愛くるしいぱっちりとした目を向けてお話があって…と控えめにそう言った。
雪乃さんが私に用事なんてあまり考えられない。あるとするなら千秋さんだけど…まだ彼のことが好きなのだろうか。

背後で視線を感じながらもリビングへ案内した。