番外編③

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…―― … 就寝時間になった。 私と千秋さんは二人で寝室へ移動する。 そのころになれば先ほどの件などとっくに忘れていてそれよりも私の睡魔の方が勝ってしまい、早く眠りにつきたいから速足でベッドまで到着すると(千秋さんの寝室は無駄に広いのだ) 縁に腰かける。 と。 「ひゃっ…」 急に背後から伸びてきた千秋さんの手が私の肩をぐっと力強く押してベッドの軋む音とともに体が沈んでいく。 瞼を開けると精悍な顔つきの千秋さんと視線が絡み合う。 どうしたのだろうと考えていると彼の手が私のパジャマのボタンにかかる。 「今日は寝かさない」 「…へ、」 鋭い目つきに一気に体が熱を持つ。 いつもならベッドに体をあずけるとすぐに眠くなるが今日は違うようだ。 千秋さんのせいだ。
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