番外編③

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彼のまつげってこんなに長かった?とか、鼻筋が綺麗だなとか、今考えることではないのにそんなことを思いながら彼を見つめる。 「急に黙ってどうしたの?」 「…どうしたのって。千秋さんが押し倒すから…」 「だって最近してないでしょう?」 「そうですね…」 「あと、俺は今までの距離感が好きだけどね?」 「え?」 千秋さんの目が薄く光り、私を見下ろす。 彼はすべてお見通しだ、とでもいうような目を向ける。もしかして、そう思った時には既に顔を近づけてキスをされていた。 「…ぅ、…ふ、っ…ん」 生き物のように口内を動くそれは簡単に私の思考を停止させる。 いつの間にかパジャマのボタンはすべて外されていて直に触れられると体は生きた魚のようにビクンと大きく跳ねて 感じてしまっていることが彼に伝わる。 「はぁ、…っ…」 「雑誌、1ページだけ折り目ついてたよ」 やっぱり知っているようで、唇が離されると同時に千秋さんは不敵な笑みを浮かべながらそう言った。 「マンネリ防止したいなら、もっと桜子を抱かせて」 「え?どう、して?」 「すぐに寝るから抱きたくても抱けない」 「あ、」 確かにそうだ。 最近は特に眠たくて(最近通っている茶道や料理教室の疲れだ)元から寝つきがいいことも相まってのび太並みに瞬時に寝てしまっているかもしれない。
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