不撓不屈

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ママは悩んでいたようだ。 今日お休みの人に連絡をして出勤できるか聞いていたが、ダメだったようで。 落胆している様子で、チラッと私をみる。 「じゃあ、基本的なことを数時間で覚えてもらいます。」 「え?!いいのですか!」 「もともと人手不足でしたからね。今日は試用期間ということで、もしよければ継続して働いてもらいます」 「やったー!」 拳を突き上げる私にママは盛大に笑った。 品がないと付け加えて。 …―― … 「こんな洋服着たことありません…」 「普通よこのくらい。あなたもの覚えは素晴らしいわね」 「ありがとうございます」 「新聞は?読んでる?」 「いえ、お金がかかるし好きじゃないので。ただある程度お話くらいならできるかと」 「そう」 従業員たちが一斉に出社してきて、騒がしくなった。 店内は個室のように区切られていて照明は見たこともないような豪華なシャンデリアがあまりにも眩しく見えてめまいがする。
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