あなたに 第1部 あなたとの出会い 

12/15
前へ
/131ページ
次へ
向かいの席に、あなたの、お友達二人がいたわね。 その間に、女性のお年寄りが、二人座っていた。 【 あら。そちらのお二人は、いいわねぇ~若くて綺麗な、お嬢さん二人で、、、ごめんなさいね~こっちは、年寄りで、、、。】 私達は、キャハハ|~と、笑った。 電車が、ガタンと、音を立てて急に止まった。 あなたは、私の肩を抱いた。 向かいの席の、二人は、それぞれ、お年寄りの肩を抱いたわね。 【 あら~優しいのね~女が目覚めちゃう~ 】 そう言って、声を立てて笑っていらした。 私達も、面白くて、思わず笑った。 私は、肩を抱いてくれた、あなたを見つめた。 しっかりと、見つめた。 間違いなく、あなただった。 お年寄り、お二人は、着物を着ていた。 明るい色の着物が、よく似合っていた。 電車は、少しの間止まっただけだった。 次の駅で、 【ありがとうございます。お世話になったわね~ 】 と言って、着物姿のお二人は、降りた。 【 いいよな~そっちは~ おい秋山、手ぐらい握れ。 】 向かいの人が、そう言うと、あなたは、自分の掌に、私の手を、そっと、収めた。 私は、指を絡めて、あなたを見た。 あなたの顔は、赤くなっていた。  私も、頬のほてりを感じた。 そして、見つめ合って笑った。 あの時、、、。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加