あなたに 第1部 あなたとの出会い 

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あなたと、あなたのお友達と、私達は、M駅でおりた。 私は、継母が用意してくれた、着替えを、友達に 渡して、 【 少し後で、お邪魔するから。】 そう言って、あなたと、歩き始めた。 父は、その日、出張だった。継母は淋しがっていた。 【 なるべく早く来てね。今日は、瑠璃ちゃんの好きな、天ぷらを作るの。お母さんと一緒に。】 【 分かったわ。ありがとう。】 あなたは、【 少し、歩きましょう。】 そう言って、私の手を握った。 どこに歩いて行くのかは、分かっていた。 あなたと、手を繋いで、あの坂道を歩きたいと、いつも思っていた。 あなたと、坂道を上った。 坂道の、一番上に上った時、夕陽が綺麗だった。 私は、その日も、あなたに書いた、愛する手紙を持っていなかった。 【 私、西条瑠璃です。】 【 知っていますよ。あなたの名前位。】 【 え?どうして? 】 私が、訊いても、あなたは照れて、何も言わなかった。 【 私、目黒の方に、引っ越ししたんです。】 【 あ、それは知らなかった。どうりで、会えない筈だ。淋しいな、、、。】 あなたは、そう言って、私の手を強く握った。 私も、あの時と同じように、力いっぱい握り返した。
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