あなたに 第1部 あなたとの出会い 

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その時、夕陽が力強く光った。 あなたと私は、二人並んで夕陽をじっと見つめた。 とても綺麗だった。とてもなんてものじゃないわね。 あの時の夕陽は、、、。 そして私は、何となく後ろを見た。 すると、雨上がりでもないのに、虹がすっと出た。 私は、近眼だけれど、なぜかはっきりみえた。 七色の虹  虹は、時々見るけれど、はっきりした七色の虹を見たのは、生まれて初めてだった。 【あ、虹 】   私が、そういうと、あなたも、後ろを振り返って 虹を見つめた。 その時、私はよろけて、転がってしまいそうになった。 坂道の一番上に、私達はいたのよね。 私は、あなたの腕を掴んだ。 するとあなたは、私の手を、腕できつく挟んだ。 私は、あなたの腕が、疲れてしまうと思って、そっと、手をあなたの掌に移した。 あなたの手は、大きくて少しごつごつしていた。 その時、私達は、又、瞳を見つめ合って、少し笑った。お互いに。 あなたは、私の小さな手を、力強く握った。 私も、精一杯握り返した。 とっても嬉しかった。あの時、、、。 虹が、消えかかった時、初秋の風が、やさしく私達に吹いた。 りんごの匂いと、あなたの爽やかな香りが、伝わって来た。 私は、あなたとなら、ずっと一緒にいても大丈夫だと思った。
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