あなたに 第1部 あなたとの出会い 

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体臭の合わない人って嫌でしょう?  私の、香りはどんな感じだったのかしら? あなたは、いつか、赤ちゃんのような匂いって言っていけれど、、。 虹が消えた後、私は、【ありがとうございます】 そう言って、あなたから、りんごの入った紙袋を受け取った。 そしてその時、私は、坂道の道端に、すみれとタンポポが咲いている事に、気がついた。 九月の終わりだというのに、、、。   タンポポは、冬でも暖かい日には咲くわ。  でも、すみれは、春にしか咲かない。 私は、かがみ込んで、あなたにいったわ。 【秋だというのに、すみれとタンポポが咲いているなんて、不思議でしょう?】 あなたは、何も言わずに、かがみ込んで見ていた。 【あなたも、不思議な方ね。 何もおっしゃらなくて】 そう言って、私は、あなたの顔を見る事が出来なかった。恥ずかしくて、、、。 私は、あなたに、軽くお辞儀をした。 そして、あなたは、駅の方へ。 私は、坂道を下って、家の方に歩き出した。
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