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あなたは、あの時、私の名前も、電話番号も訊かなかった。
そういう、あなたを、爽やかだと、私は思った。
後で、あなたには、恋人がいるからかしら?と、ふと思ったりもした。
でも、あの時、あなたの私を見る瞳は、私を、とても可愛いと思っている瞳だった。
それは、間違ってはいないでしょう?
それから、私は、いつもあなたの事を想っている、自分に気がついた。
簡単に忘れたり出来ないわ。 あの日の事は。
暑くも寒くもない日。
光りすぎる夕陽。雨上がりでもないのに出た虹。
りんごの匂いとあなたの香り。
あなたの手のぬくもり。
秋に咲いていた、すみれとタンポポ。
そして、吸い込むように、私を見つめた瞳。
大学で、授業を受けている時も、友達と喋っている時も、 バスに乗っている時も、電車に乗っている時も、、、。
あなたは、いつも私の心の中に、いた。
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