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あの日、私は、とても嬉しくて、嬉しくて、坂道を下ると、家まで、スキップをして帰った。
【ただいまー】
私は、いつもより、ニコニコしていたらしい。
【お帰りなさい。あら?どうなさったの?何だかとても楽しそうね。】
継母も、ニコニコしながら、そう言って、私をじっと見つめた。
継母と云っても、とても優しい。
継母の事は、後で書きます。
私は、あなたの事を、継母に話した。継母は、いつも、その日何があったか、訊かなければ気が済まない。
継母は、くすりと笑って、
【その方、すみれが、春に咲くって知らないのよ。きっと、、。】
【そうかなぁ。でも、何にも言わないの。只、笑顔で、頷いただけ。】
【それはね、瑠璃ちゃんが、可愛いすぎるからよ】
【え。まさか。】
【瑠璃ちゃんは、知らないのよ。ご自分の可愛いらしさを。】
継母は、真顔でそう言って、私の好きな紅茶、オレンジペコーを淹れてくれた。
私は、実の母親に、愛された事が無い。
褒められた事も、慰められた事も、、無い。
でも、継母は、違う。 実の娘だと思っている。私の事を。
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