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「でもそれって、騙していませんか?」
「あららら、どうして?」
「確かに、楽しいです。そっちの方が。
最初、オレは確かに凄く興奮しました。」
「ですよね!だから僕は公表しないことに...」
「だけど、それって、お客さんに嘘ついて、
騙して。楽しませてるかもしれないけど、
あなたはペテン師です。」
しまった。
オレは言いすぎたと思い、佐々木の顔を見上げた。佐々木は少し困ったような、戸惑ったような表情をしていた。
「僕は、エンターテイナーですよ。
ペテン師かもしれないけど、僕は、エンターテイナーです。」
そう言って佐々木は、周りの客の顔を眺めた。
とても楽しそうだ。
客たちは目を輝かせながら、佐々木の作ったニセモノの、本物のような水槽を覗いている。
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