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「来てくださったんですね。嬉しいです。」
電話もしてないし、どこに行くかも知らないし、たまたまに決まってるじゃないか。
「知りませんよ。ていうかなんですか館長って......っていうかもしかして、この間仕事を尋ねたらここに連れてこようとしてたんですか?」
「はい。その通り。
ここの館長をやってます。佐々木と申します。
職業はそうですねぇ。......エンターテイナーと名乗っておきましょう。」
佐々木は笑顔のままで、自己紹介をする。
「あなたがこの間、水族館の写真を見返しては、楽しそうに、にこにこしていたものですから。つい、僕のところにも招待したいと思いましてね。喜んでもらえると思ったんですよ。
でも電話をくれないものですから。
まあ、いつか会えるだろうと思ってはいましたが、早い再開でしたね。嬉しいです。」
くそ、見られていたのか。
「はいはい、それはよかったです。
ところでこれ、わざとですか?」
オレは恨みを持った目で、佐々木の顔とぐしょぐしょになった自分の服を睨む。
「ふふふ、つい。着替え、貸しますよ。」
「はぁ......。もういいや。
案内、してくれるんだろ?」
「是非、お任せください!」
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