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中山先輩からの告白。
迷う事はなかったはずーー今度はいつ誘おう。
とにかく学校で、約束を取り付けなくてはーー。
そう考えるだけで身体中に緊張が走る。
玄関のドアを開け、外に出る。
「行ってきまーす」
もう、母も父も仕事に出掛けていて、誰もいないのに。
その声は、寂しげに宙を舞った。
学校への道のりは、わずか五分程度。
一本道だから、方向音痴な私でも迷わずに行ける。
途中で、声をかけられた。
「大林、おはよー」
振り返ると、そこには中山先輩がいた。
緊張で裏返った声で、喉の奥から絞り出すような声で、私は言った。
「おはよーございます。先輩、あの、、今度の日曜、空いてますか?」
「あぁ、空いてるよ!」
「それじゃ、前のお返事したいので、夕方、待ち合わせませんか?」
一瞬だけ、先輩の顔に緊張が走った。
「あぁ、わかった」
二人で日時と場所を決めながら、学校へと向かう。
今週日曜午後4時。
彼が家まで迎えに来てくれる事になった。
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