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停電
「お客様にお伝えします。現在、すべての遊具からお客様の救出を終えましたが、先程の地震の影響で、どうやらこの辺一帯が停電してしまった様ですので、電気が復旧するまでに、まだ時間がかかりそうです。危険ですので、電気が復旧するまで園外に出ないようお願い申し上げます」
今度は遊園地の中での軟禁状態が待っていた。
突然の停電。
周りの顔も見えない。
停電していると本当に真っ暗だ。
人の顔の判別もつかない。
緊迫した空気の中、お互いを確め合うように二人はキスをした。
普通ならこんな暗がりには耐えられない。
でも、今は違う。
好きな中山先輩と一緒にいられてる。
それだけで気持ちは安心していた。
私たちは今日から恋人になる。
このキスはその記念にも思えた。
本当はこの後で映画館に行く予定だったが、これではしばらく帰れないだろう。
二人は明かりが着くのをジッと待っていた。
普通なら、こんな状況は耐えられないだろう。周りが大騒ぎしているのに、私たちだけ幸せでいーのだろうか?
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