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「ん?」
ルカは相変わらずの、掴みどころのない笑みを作った。
「ま、なんていうか、いろいろと進展してるからさ。――過去のことも未来のことも、前進を続けてて、なーんかもうすぐで、何かが掴めそうなところなんだよな」
それ自体は、取りとめのない言葉だった。具体的にどう進捗しているのかはわからないが、ルカにとってプラスの方向へと進んでいるらしい。
「――それに、次は首都防衛の決戦だ。こうやって話すのも、これが最後かもしれないと思ってね。お互いに、明日を保障されてない身だろ?」
明るい表情でルカはいう。どこまでも、不敵だ。
「そうだな……」
そういう世界で戦っている。
いくら人間の意志が偉大であろうと、しかしその願いだけで生命が維持されるわけではないのだ。
もしかすると――ルカはハンスに、自分の思想を言葉にして語ることで、その哲学をより強固なものにしようと考えたのかもしれない――。
ぼんやりと、そんなことを思った。
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