三章 『AL作戦』

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 その弱く脆くなった部分に、高濃度のマナを流そうとするがために、素材の金属が破壊しかかっているのだ。このまま続けると長くは持たないかもしれない。  しかし、そういっている場合ではなさそうだ。 「うおあぁぁっ! 逃がさんぞおっ! 魔人どもめがああぁぁっ! 死ねぇえぇ」  鈍器を手にした兵士が襲いかかってくる。 「仕方ない」  マナの付加を再開した。異音は大きくなるが、もう忘れることにする。 「であっっ!」  レヴォルツを振る。  鈍器とレヴォルツがぶつかって、衝撃が伝わってきた。  その感触も、やはり普段のものとはわずかに違っている。何が違うのかといえば説明しがたいが、微妙に剣自体ブレているのだ。 「邪魔をするなっ!」  鈍器を振り払う。 「死んでろっ!」  レヴォルツを突き出す――が、かわされてしまった。  冷静さを欠いていることが自分でもわかる。人に対して、死んでろなどと口走ったのは、いつ以来だろうか――。 「ヒャっはは! おめぇだよ、それはぁ! 逃がさん! 逃がさねぇ」  男は一心不乱に鈍器を振り回してくる。もはやそれは、武術というべきそれではなかった。しかし当たれば命の危険がある。  一気に決めたほうがよさそうだ。  ハンスはレヴォルツにさらにマナを付加させるべく力を込めた。破損しないようにここまで力を抑えていたが、それよりも戦いを終わらせるべきだ。  レヴォルツが悲鳴を上げた。 「ああっ!」  男の鈍器を目指してレヴォルツを振るった。  派手な金属音が鳴り響いて、男は獲物を取り落とした。大地に転がった鈍器は二つに分断された。
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