五章 休戦期間

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 あの日、アルデウトシティの教会で、アルディス軍の調査部隊に救助されてから、すでに三日が経過している。ゆえに、『首都防衛AL作戦』のブレイバーの被害状況も、そのほとんど出揃っていた。  帰国後はユキとともに身体の検査も受けたが、ラグナロクによる人体的な影響などは観測されなかったようだ。  あの爆風にどう耐えたのか、などという質問は何度もされた。繰り返し詰問を受けた。嫌になるほどだ。  それでも、魔法無力化の能力を開示することはできないので、かろうじて生き残っていたところを神徒レジーナによって助けられた、ということにしている。  彼女の死については、ハンスたちを助けたことによって力尽きたという見解がアルディス軍内部では構築されているようだが、それで別段、責められるようなことはなかった。  死因については納得がいったのだろうし、まさかユキの代わりに命を落としたなどとは思いもよらないだろう。  ハンスはそのことを、アルディス軍には公表していない。  ただ、ユキはどうなのだろう――?  真面目な彼女のことだから、もしかすると、正直に真実を語ったのかもしれない――。  どうやらアルディス軍にも、神徒の行動を管理する権利はないらしい。むしろ、神徒の行動、決定こそが絶対という認識すらあるらしく、レジーナの行動を讃えるという見方のほうが強いようだ。  だからこそ、彼女がそれによって命を落としたとしても、この決断は称賛に値するのである。  その思想は、ハンスたちにとっては追い風であるといえた。
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