一章 未完の新兵器

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 もしかすると、それよりも前に、神徒レジーナがこの戦いを終わらせてしまうかもしれない。  化神の持つ力は、ブレイバーなどの比ではないとシャーロットは聞いている。  そうなって欲しいというアルディス人として普通の殊勝な思いと、いやしかしそうならずに、究極魔法でゼノビアの息の根を止めてやりたいという黒い感情とが、シャーロットの心の中では攻めぎ合ってきた。  二つの相反する感情が、いまだ定期的に争いを続けている。  そしていつも、最終的に勝利するのは、後者のほうの感情だった。ゼノビアをこの手で、葬り去りたいという、どす黒く濁った感情だ。  だからこうして、研究者を続けてきたのだろうと思う。  もう、わかっている。  知らないふりをして、目を背けようとしてきただけだ。  本当はとっくにわかっていたのだ。  究極魔法が使用されることを、シャーロットは心の奥底のほうで、――。
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