終章

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「レジーナ様はあのとき、すでにもう、終わりのときを迎える直前だった。ふつう、化神っていうのはね、その力を次代に引き継いだ後だとしても、静かなところで然るべき人間たちに見守られながら終わりのときを迎えるらしいんだけど、今回みたいな戦争中だと、どうしてもそのとおりにならないこともある」  まさにその展開になってしまったわけだ。  アルディス軍としても国としても、遺憾なる事態だったことだろう。だからこそ、すぐに調査のための部隊を派遣したともいえる。 「そういう場合――要するに、戦死してしまう場合でもね、本来なら化神の付き人みたいな役目の人がそばにいて、化神の最後を中継する役割を担ったりするみたいなんだけど、ハンスも知ってるとおり、ラグナロクが使用されたあの場所では、それも叶わなかった」 「あの爆発に耐えられるのは神徒だけだっただろうからな」  実際にそれによって多数の死者が生まれた。ブレイバーの実力者でさえも例外ではない。  あのベルトラムやシェイラでさえも、いまだに行方不明のままだ。 「それは本来、避けるべき状況なの。なぜなら、化神の歴史は未来永劫、途切れることなく続いていくものだから。神徒レジーナ様が戦ってきたその証を、その歴史を、その力を、完全なままで引き継ぐことが、化神の歴史をあるべきかたちで未来へとつなげていくことになる」 「つまり……どういうことだ? 化神はその能力を、途切れることなく、次の世代に順番に引き継いでるってことなのか?」  理にかなった方法ではある。そうすることで、次世代に何かしらの力を伝えることができるなら――。  もっとも、化神の持つ人智をこえた神なる力というのは、にわかに想像できないものではあるが。
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