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単純に疲れているからという理由かもしれないが――。
「よく聞く話ですわね。といっても、その古代のマナを扱えるのは、神に選ばれた者――つまり化神だけだということみたいですけれど」
そっちのほうは、初耳かもしれない。
化神だけが使える力――ということは、神器とは化神のために作られた装備だということだろうか?
それかもしくは、封印したマナを監視するために、化神が生み出されたか――。
どちらもありえそうな話ではあるが、時系列が不明なためになんともいえない。そもそも古代のマナを封印したというその時代に、化神は存在していたのだろうか?
書物などを紐解くと、化神はずいぶんと古くから存在しているらしい。
「その話は、神徒様から聞いたのか?」
魔法研究のため、化神は魔研に出入りしていると聞く。
「まあ、そんなところですわ……」
シャーロットは表情を変えずにいった。何かしらの情報統制が敷かれているのだろうか、あまり話すことに積極的ではないようすだ。
しかし化神からの情報であるなら、真偽のほどは保証できるのだろう。
「化神しか使えない武器を集めてどうするつもりなんだろう。――まさか、やつらの組織のバックに化神がいるわけでもないだろうし……」
「そのあたりは、これという確証はないですわね。そもそも化神しか扱えないという情報も、正しいかどうか――。今は技術の進歩が盛んな時代ですから、神器のマナを扱う何かしらの方法があるのかもしれません」
なるほどそうなると、あまり深く考察しても答えはでないか。
「そんなことよりも、わたくしが心配なことは別にあります……」
シャーロットは話題を変えるように切り出した。
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