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相変わらず、首のペンダントやら耳とヘソのピアスやら、ブレイバー随一の派手さは健在だった。
否が応でも、その派手な部分――もっというなら露出の激しい部分に、視線がいってしまう。
別に咎めようというのではない。むしろ良く似合っている。彼女のような、スラリとした体型だからこそ、アクセサリもより引き立てられているのだ。
頭は小さく、足は長く、そして肉体は引き締まっている。イーヴァイン人の特権だろう。
どれだけ背伸びをしても、ユキは彼女のようにはなれないのだ――。
「奇遇だね。幼馴染ちゃん」
階級の差など関係ないというように、ミーアは気軽に話しかけてきた。ユキとしては、そのほうがありがたい。
暗黙のルールなんて無意味なものなのだから。
それは、いいのだけれど――。
ユキは少し、ムッとした。
いや別に、それほど憤慨しているわけではないのだが、半ば条件反射的に、ユキは不満さを含んだ声音でこう返していた。
「私はあなたの幼馴染じゃありません」
幼馴染ちゃん――。
いつの日からか、彼女はユキのことをこう呼んでいる。たぶん、医務室で二人きりで話したあの日からだろう。
止めさせたいわけではない。名前を呼んで欲しいなどと思っているわけでもない。
でも、なぜだろう。ミーアにはなぜか、つっかかりたくなってしまう。
「あはは。そんなことわかってるよ。でも、幼馴染ちゃんは幼馴染ちゃんじゃん?」
ハンスの幼馴染だから、というのがミーアの主張だった。
つまりハンスありきで付けられた呼び名ということになる。それが何となく気に食わない――というか、恥ずかしいのだ。
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