二章 決戦に臨む者たち

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「む……。そ、そこは関係ありませんっ!」  一気に体温が上がったようだった。  そもそも、なりたくてこんなに大きくなったわけじゃない。  戦いのことを考えたら、余計な重りをつけているようなもので、動きにくいし邪魔なのだ。  ま、それは冗談として、とミーアは笑う。  ユキは無意識のうちにミーアを睨んでいた。ミーアは宥めるように、ひらひらと手のひらを振っている。 「――正しいか間違ってるかなんて、他人が決めることじゃないさ。幼馴染ちゃんが正しいと思えば、それは誰にどういわれようと正解なんだよ。だから、誰かに確認するんじゃなく、もっと自分の考えに自信を持ちなよ。――もっとも、あたしも同志を募って士気を上げるのは正しいと思うよ。このまま何も変わらなければ、いずれ負けるからね」  ミーアは表情を崩すことなく、また言葉に詰まることもなく、すらすらと明瞭そういい切った。  やはり彼女は強い――。  確固たるものを内に秘めている。しかもその秘めたるものは、たぶんユキの持つ常識からも外れていない――と思う。  要するに、共感できる。だからこそ、ミーアと一緒に戦いたいと、本能的に感じてしまうのだろう。 「でも、ミーアはいいの? あんまり隊とかグループとか、そういうしがらみって、好きじゃないような感じだけど……」 「うーん……。好きじゃなかった、かな? 昔は。でも今はそうでもない。四六時中拘束されるわけでもないし、戦場にいるときくらいは、ちゃんと規律を守るよ、そりゃ」 「そっか……。そうだよね……。私、まだミーアのこと、そんなにわかってないんだ、きっと」 「お互いさまだよ。けど――」  ミーアは挑戦的な瞳を向けてきた。
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