二章 決戦に臨む者たち

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 アルディストンへ移住して、アカデミー生となって、武器を握ったことで、ユキは初めてそのことを知った。 いや、違う。本当の意味で知ったのは、それよりずっと後――四年ほど前のことだろうか。  リーシェという一人の先輩から、ブレイバーとは如何なるものであり、どうあるべきなのか、それを教えられた。  尊敬するとても大切な先輩。  いや、今でも変わらず、大切な先輩だ――。  ミーアはわかっているはずだ。汚れのない兵士など存在しないことを。彼女とて、けっして甘い道を進んで来てはいないはずだった。 「ふうん。じゃ、あたしの目が節穴なのかな? ま、でもたしかに、お姫様はちょっとか弱すぎかな? それは間違いだったかもしれない。――でも、女の子だよね。キミは良くできた女の子だよ」 「そういうのは、貴族の娘とかをいうんじゃないかな……?」  けっして良くできた、などとは思わない。むしろ欠陥だらけだ――。 「ああ、いや」  そうじゃないよ、と、ミーアは手をひらひらと振る。 「なんていうか、女の子らしい、ってこと。たとえば異性から見ると、魅力的に見える女の子――って感じ。まあ、あたし男じゃないけど、そうなんじゃないかな」  まさか――そういう話だとは思わなかった。  端的にいうなら、ミーアは色事について話しているのだ。男女の恋愛の話をしている。  まるでイメージになかった。どちらかといえば、ミーアは頑固そうでストイックな軍人という印象だったのだ。  むしろ女の子らしいのは、ミーアのほうじゃないだろうか?  どちらかといえばユキのほうが、。それはもう、本当に、嘘ではなく、
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