二章 決戦に臨む者たち

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 しかしミーアはゆらゆらと、首を横に振った。 「いや、もう捨てたよ。――それを捨てたから、捨てることができたから、今のあたしがあるんだ。悲観的じゃなくて、前向きにね、そう思ってる。哲学って言葉を使うなら、これも近いのかもね」 「そっか……。そのミーアの哲学の話も、いつか聞いてみたいな」  探りでも何でもなく、正直な本音だった。  よくよく考えれば、彼女がなぜブレイバーを志したのか、それすらもユキは知らないのだ。  ここでそれを一から質問するつもりはない。それはまた、別の機会に。戦場ではない場所で訊きたい――。 「あたしはそんな、大層な人間じゃないさ。――いつもブレて、揺れて、ふらふらして、さまよってる。そうやってできたのが、今のあたしなんだよ」 「それは……」  どういう意味なのか、ということさえも、訊くことができないほどの雰囲気を、ミーアは醸していた。とにかくミーアにも、尋常ならざる何かがあって、現在の彼女を作り上げているに違いない。  それを聞くことができるのは――まだまだずっと後のことなのかもしれないと、ユキは思った。  それでも――。  ここまでさらけ出してくれたミーアのことをもっと知りたい――ユキの心の中には、そんな気持ちが芽生えていた。
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