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そこにいたのは禿頭の男性。
彼の手には私の財布があった。
「あ…どうも」
礼もそこそこに財布を受け取る。
いつしか、私は地上の階段近くまで来ていた。
上ってみれば日の差し込む寺は穏やかで、入った時と同様に参拝者や頭を下げる坊主の姿がちらほらあり、まるで先程見てきたことが夢のように思われた。
額の汗を拭いつつ、この寺の胎内めぐりはなかなか過激であったと思いながら、足を進めようとしたが…ふと背後の男性の言葉が耳に入る。
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