360人が本棚に入れています
本棚に追加
御影さんの首に抱きつき顔を隠すと、突き上げがもっと激しくなった。先端がゴリゴリと弱いそこを擦りながら奥を突き上げる度、切羽詰まった感覚に陥る。
「あ、あ、んんっ! うっ、はぅ、……ああ」
与えられる刺激が僕を煽り中心を震わせる。
「み、御影さ、んもお、」
弱音を吐いた途端、上下に揺れていた体が止まる。御影さんは突き上げるのを止め、抱きついた身体をグイと押し戻されてしまう。グッタリしている僕を見て御影さんがニヤリと微笑んだ。
「自分で動いてみろよ」
「なっ、む、無茶、言わないでくださいよ」
息も絶えだえに答えると、御影さんが僕の二の腕をガシッと掴んだ。
これじゃさっきみたいに抱きついて顔を隠せない。情けない表情になってるだろう僕を見て、御影さんが言った。
「深月は可愛いな」
御影さんの発言に恥ずかしくなる。でも、変な話だけど、どこかでちょっと嬉しくも思ってしまってる。
もう隠れることができないけど、なるべく御影さんの顔を見ないで済むように視線を背けた。
見てしまうと、突き上げる感情に支配されそうで怖い。
御影さんのカチカチのモノが、また動き出す。
「……あ、あぁっ、んうっ、ふわ」
僕の腕を掴んだまま、下から何度も突き上げる。先端がゴリゴリと擦れるたびに、背筋に甘い痺れが走って強張る筋肉をとろけさせた。
体に力が入らない。
背けてたはずの視線も、いつの間にか正面に戻り、僕は欲に溺れた情けない表情を御影さんに晒していた。
御影さんは拘束していた腕を解き、そっと僕の眼鏡を取ると床に置いた。
髪をまさぐりながら引き寄せる。唇を塞ぎ、僕の声も奪う。繋がり合うところを循環するようにひとつになってる感覚。 御影さんの引き締まった体も汗でしっとり濡れてる。すごくいやらしい。
熱い吐息の合間に御影さんが囁いた。
「好きか?」
「……きです」
ヘロヘロになりながら答えると、汗だくの顔で、御影さんが優しく微笑む。
いつもは熊でも殺せるくらいの鋭い目つきなのに。
僕はこの目が好きだ。
「今度は尻、触らせんなよ」
「ん」
かすかに頷いて返事する。
いつも何発も出して歩けなくなるくらい攻められるのに、僕が一回イくと御影さんは僕を抱き上げ風呂場まで連れてってくれた。
う~ん……?
イレギュラーな出来事に腕の中でこっそり見上げると、御影さんはいつものようにニヤリと笑い、僕の額にキスした。
たくさんかいた汗を流し、水分を摂るとそのままベッドへ。
結局そこでいっぱい続きをされた。
いやらしいことや意地悪なこともいっぱい言われたけど、これも僕を好きだっていう気持ちからなんだろうか。小学生が好きな子に意地悪するような……? そう思うと、妙にくすぐったい。
嫌なこと言われて、されていつも「なんでだ」って翻弄されるけど、いつの間にかそれだけじゃなくなってきてる。
エアコンをガンガンに効かせた部屋の中、御影さんの腕に包まれ眠った。
あの島での出来事をぼんやり思い出す。
始まりはとんでもなかったけど、嵐が過ぎて今は、青空と穏やかに揺れる草原で安心できる腕に包まれてる。そんな気分。
この後、僕たちに、さらなるとんでもない災難がやってくるなんて。この時はまだ、知る由もなかった――。
最初のコメントを投稿しよう!