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休日ということもあって、ショッピングモールは人であふれていた。
「まるで、人を見に来てるみたいですねぇ~」
「ははは!やっぱ凛は、言うことが面白いよなぁ~?」
瑞希お兄ちゃんと2人で、並んで人混みの中を歩きながら話す。
安売りのセールをしているおかげで、人が多いおかげで、瑞希お兄ちゃんと密着できてラッキー♪
〔★凛は、わずかなラブチャンスを逃がさない★〕
「凛、のどかわいてないか?」
「大丈夫です。お兄ちゃんは?」
「俺は平気だ。それなら~・・・あの店には行ってみるか?」
そう言って入って行ったのは服屋さん。
「わあ~秋物に代わってますねー」
(このシャツ、瑞希お兄ちゃんに似合いそう!)
そう思って彼を見れば、なぜか店員さんと話し込んでいた。
コーディネートを頼んでいるのかな?
「凛、来いよ!」
私の視線に気づいた彼が手招きする。
素早く近づけば、私を店員さんに見せながら言った。
「こんな感じなんすよ。」
「ああ、こういうタイプの子ですか?」
「??」
(何の話?)
「お兄ちゃん?」
「凛、今からこの店員さんが、凛に似合いそうな服を選んでくれるからな?いいのがあれば、言えよ?」
「え!?僕!?」
「はじめまして~タオっていいます。服選びのお手伝いをさせてね?」
「ええ!?」
お兄ちゃん達がさっき話してた話題って、私のことだったの!?
〔★凛のコーディネートだった★〕
ビックリする私をよそに、店員の行動は素早かった。
「凛君ていうのか、お名前?凛君、肌が白いから、明るい系があってると思うんだ。ちょうど、新作の秋物でいいのがあって~これどうかな?」
「え?え?ええ?」
「お、いいじゃんか、凛!サイズ・・・SかMだと思うんすけど、あります?」
「はい、両方あります。多分弟さんの場合は・・・Mですね。」
私の背中に服をあてながら告げる店員。
確かに着る服はMだけどさ!
(なに、この展開!?)
「凛、試着させてもらって来い。」
「え!?」
試着って・・・男装してるのにそれは~いや、着替えてる最中にのぞかれなければいいわけの話なんだけど~
「ははは!心配しなくても、凛の貧相な体、見たりしねぇーよ!」
「エスパーですか!?」
(お気遣いはありがたいけど!)
なぜ、私の考えがわかる!?
(は!?まさか愛の力!?)
〔★単に、顔に出ていたのだろう★〕
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