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瑞希お兄ちゃんの言葉にときめいていたら店員が後押しする。
「凛君、お兄さんもこう言ってるし、着てみようよ?ね?」
「じゃ、じゃあ・・・着てみます・・・」
「それがいいよ~!試着室はあっちなんだけど、わかるかな?案内しようか?」
「い、いえ、1人で大丈夫です!」
グイグイくる相手に、これ以上面倒になる前に従う姿勢を見せる。
「い、行ってきます!売りものを傷つけないように、キレイに扱って着替えますので、のぞかないでくださいませ!!」
店員さんにそう告げて、
「お兄ちゃんも、どこに行っちゃダメですよ!?」
好きな人に釘を刺して試着室に逃げ込む。
「のぞくなって、お前~?ははは!鶴の恩返しかよ~!?」
「可愛い弟さんですね~マスクしてるのがもったいないですよ。素顔も、可愛いんじゃないですか?」
「可愛いっすね。本人が極度の照れ屋で、隠したがるんすよ~なんで、マスクと相性のいい服とかあります?」
「ありますよ。こちらのショールと、ズボンと、シャツを組み合わせて、小物はこんな感じで~」
「お、イイ感じっすね!?これも、着せてみていいっすか?」
「もちろんですよ。他にも、お勧めがありまして~」
「おー!?いいね、いいねぇ~!?」
私が離れたのを良いことに、勝手に次に着せる服の話を始めるお兄さん2人。
(瑞希お兄ちゃんてば・・・私がマスクしてるのは、極度の照れ屋だって軽い感じで説明しちゃって・・・!)
私のことを思いやりながら、相手が追及してこない答えを出すなんて!
(その気遣い、神対応過ぎて、ますます好きっ♪)
〔★瑞希は凛の心をさらにつかんだ★〕
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