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商魂たくましい店員のトークが止まらない。
「あ、凛君似合う!すっごく似合うね~!着こなし完璧だねぇー?このシリーズ、すごく人気なんだよ~?見る限り大丈夫そうだけど、サイズきつくない?」
「ピッ、ピッタリですが・・・」
「じゃあ、次はお兄さんは持ってるショールとの組み合わせを着てみようか?これなんだけど、大人っぽく見えると思うから!」
「い、いえ、僕はこれ以上は~!」
「良いから着てみろ、凛。気に入ったのあったら買おうぜ?」
「で、でも~」
(値段が気になる。)
自分のお金ならともかく、使うのは瑞希お兄ちゃんの現金。
こんなにたくさん試着したら、買わないのはダメだよね?
なんとか、逃げる方法がないかと思って考えてひらめいた。
「モニカちゃんに、悪いですよ!」
「あん?」
「その・・・僕が服を買って帰ったら・・・僕の服を作ってくれてるモニカちゃんに悪いです。」
申し訳なさ度100%で訴える。
服を用意してくれる存在を口にして、買う必要はないと伝える。
余計な出費を防ごうとした。
これに対して瑞希お兄ちゃんは―――――
「はあ?気にズることねぇーよ。俺がいいって言うんだから、買えば良いじゃんか?つーか、自分が作った服以外の服を凛が買るってことで対抗意識がでて、もっと良い服作ると思うぜ?」
「プラス思考にとりますか!?」
〔★凛の作戦は失敗した★〕
「今はモニカじゃなくて、自分の服選びに集中しろ!ほら、この組み合わせを着てこい!」
「あう・・・・わかりました。」
キラキラした笑顔で言われては逆らえない。
瑞希お兄ちゃんから服を受け取り、再び更衣室へと引きこもるのだった。
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