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「お、お兄ちゃん!」
「ん?」
「ほしいものがあったら、言って下さいね!?僕、プレゼントしますから!」
「ははは!じゃあ、凛とこうやって過ごしてる時間かなぁ~」
「ええ!?」
「お!あれいいな~!?凛、今度はあの店に入ろうぜ?」
私の手を引きながら、さっきとは違うお店に入る。
皮のにおいがするこの場所は・・・
「いらっしゃいませ~!秋物のブーツ、入荷しました!」
「凛、ブーツ系は持ってないよな?」
「靴やさん!?」
シューズショップだった。早速店員が近づいてくる。
「いらっしゃいませ!何をお探しですか?」
「弟に、靴を買ってやりたいんだけど、男子高校生に人気の靴ってどれかな?」
「かしこまりました!こちらになります~」
「ええ!?」
まさか、と思う。
「お、お兄ちゃん!もしかして、靴を買ったりは~・・・!?」
「おう、凛の靴買うぞ?今はいてるのだって、けっこうガタがきてるだろう?」
「う!?それは・・・」
(安いお店で買ったものだからな・・・)
「でも、僕ばっかり、買ってもらうのは嫌です!」
「はあ?遠慮すんなよ!アニキに甘えとけ!」
「お兄ちゃんに甘えてばっかりだと、自立できない大人になってしまいます!」
「いや、ケッコーお前、単独行動してるぞ?1人で何でも出来てるって。」
「だめです、だめ!僕だけ買ってもらうのは、お兄ちゃんに悪い!」
「だから、お兄ちゃんはいいって言ってるだろう!?」
「ダメ!」
「いい!」
「ダメ!」
「いい!」
「ダメっ!」
「でしたら、おそろいで買われるのはいかがですか?」
お店の中心で、そんなやり取りをしていたら言われた。
「兄弟で、おそろいの靴を買われるのはどうでしょう?」
「「え?」」
言ったのは、私達を案内していた店員のお姉さん。
ニコニコしながら話しかけてきた。
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