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「ねぇ、ルノア!仕事はどうなの!?女優業、順調!?」
「フッチーの芸能界活動、聞きたいよぉ~!」
「あんまりしゃべんないでよ。恥ずかしい。」
新学期を迎え、渕上ルノアが芸能界デビューをするという話は学校中に広まっていた。
奴が芸能人になるとか、何度聞いても吐きそうになる。
(見た目がよければ、テレビに映る資格はあるって言うこと?)
良く知らないけど、モデルみたいなことはしていたと聞いた。
評判が良くて、活動の幅が広がったと言うが・・・
(レディースの総長してるのに、それってどうなんだろう?渕上が暴走族の女ボスをしてることを知らないの?)
それとも、上手く隠しているのだろうか?
(いや、隠せてるから、公の場にステップアップできるのかも・・・)
よりによって、渕上なんかを選ぶなんて・・・芸能界は見る目ないなぁ~と思う。
〔★凛は不満を感じている★〕
だけど、そのまま忙しくなれば、私のことを放置してくれるかもしれない。
淡い期待を抱いたりもしたんだけど・・・
「見てよ~菅原の顔!泣きそうですって顔して、同情かってるよね~?」
「足から血が出てるけど頑張ってますとか、わざとらしいわ!ねぇ、ルノア?」
「そうね。ホント、ゴミ原って調子に乗りすぎだわ。目障り~」
「だよねぇ~フッチー!もっと教育してやろうぜ!」
これみよがしに言う奴らの声を聞きながら思う。
やっぱりあいつらは敵だ、と。
私を見てゲラゲラ笑ういじめっ子達も、知らん顔する体育教師も大っ嫌いだった。
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