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正直、凛道蓮をする合間でやった宿題を取られたことはムカつく。
何の努力もしないで、楽をすると言う態度が嫌い。
その場の気分で人をいじめる奴らは、もっと大っ嫌いだけどね。
「うはは!顔怖いでぇー!?けっきょく、どうなってんねん!?菅原凛の夏休みの宿題達は~!?」
殺気をため息に変えながら答えた。
「始業式の日に、返してくれるように交渉したんですが・・・」
「返さへんかったんか?」
「いえ、『一緒に提出してやった!感謝しろ!』と小突かれながら言われました。」
「うはははは!隠ぺい工作もバッチリやなぁー!?」
「いや・・・むしろ、一緒に出したかどうかが怪しいんだよね・・・」
ヘラヘラしながら言う難波と鳥海を思い出して、ますますムカついた。
同時に、犬猫を追い払うような対応をした中山達男子に腹が立った。
怒りのあまり、渕上飯塚カップルを見なかったのは正解だったわ。
そして、すごく不安だった。
(今までやられたことを思えば・・・・・本当に出したのか、信用できない。)
2か月分の宿題をすべて見せてやったんだから、さすがに大丈夫だろうとは思っていたけど・・・・
(考えが、甘かったかもしれない。)
「念のため、各教科の先生に確認してみます。」
「その方がええなー!」
今さらながら、予定を変更する。
(奴らほど――――――いじめっ子達ほど、信用できない奴らはいねぇ!!)
〔★それは万国共通だ★〕
若干、凛道蓮モードになったところで言われた。
「そや!そんな凛にええもん貸したるわ!」
「いいもの?」
焼きそばパンを口に押し込むと、ヤマトはポケットから何かを取り出す。
「ほへ!」
「これは・・・」
「まんへんひふや!」
「食べるか、しゃべるかどっちにしましょう。万年筆ですか?」
黒色の地味なものだった。
派手なものが好きなヤマトが持つにしては、違和感のあるもの。
「うははは!宿題、手伝ってくれたお礼に貸したるわ!」
「はあ・・・これを僕にですか?」
「せやせや!イクン切れてるけどなぁ~!うはははは!」
「使えないじゃないですか!?」
〔★借りる意味がない★〕
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