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「ちょうどいい。凛道蓮とは、1度話しつけたかったんだ。ただでさえ、ルノアを軽々しく扱いやがって!あのへらへらした態度がムカ――――」
「やめてよ、アダム。」
まくしたてるように言う飯塚の言葉を、冷たい一言で渕上が止める。
「アダムは、凛道蓮に会わなくていい。」
飯塚の言葉を悪霊が拒絶する。
それに彼氏の方が不満全開で言った。
「なに言ってんだ!?自分の女をコケにされて、黙ってられないだろう?」
「凛道蓮、あたしが『篠原愛紗(しのはらあいしゃ)』だって気づいてなかったぽい。」
「はあ!?だから、許すって言うのかよ!?前回だって、コケにされただろう!?」
「・・・わかった。そのことも、まとめて後で聞くから。それでいいでしょ?」
爪から視線を、自分の男に向けながら言う女。
それで飯塚が、大きく息を吐く。
「わかったよ!」
あまりわかって内容な顔で、自分の席に乱暴に座る飯塚。
そんな彼氏を目だけで見た後で、摘め磨きを再開する渕上。
微妙な空気の中でチャイムが鳴り、周りは自分の席へと帰っていく。
その頃には、机の落書きはすっかり消せていたが・・・。
(・・・面倒くせぇな・・・)
凛道蓮モードになりそうな心を抑えながら思う。
(先にコケにしたのはテメーの女だろう、飯塚?俺のダチを馬鹿にしやがった悪霊女が・・・!)
教師が教室に入ってきて授業が始まる。
いつも通り空気となっていたが、私に対しては・・・・今日に限っては、いじめっ子達は大人しくて・・・クラスメート全員からなにかされることはなかった。
〔★菅原凛には良い日だった★〕
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