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その話が舞い込んできたのは、瑞希お兄ちゃんとツーショットでお茶をしていた時だった。
「凛・・・!本気で嫌だったら、無理じいはしねぇーんだけど・・・・凛、あたしのダチの集会に来てくんねぇーか?」
「へ?カンナさんのお友達の集会??」
「おう。」
そう答えるカンナさんは、複雑な顔をしていた。
彼女は『凛道蓮』の親友で、龍星軍の親衛隊長を務める頼もしい女の子。
この話を、私の隣で聞いていた瑞希お兄ちゃんが口を開く。
「めずらしいな、高千穂。大河達以外のダチの話をするなんて?」
「あたしにだって、大河達以外のダチはいますよ!同性は少ないっすけど・・・」
「大丈夫だよ、カンナさん!僕も友達少ないから!」
「悲しい話をするな、お前ら。」
〔★瑞希は切なくなっている★〕
「む、無理は言わねぇ!強制ってわけでもねぇ!ただ・・・今回ばかりは、あたしの顔を立てると思って・・・凛に来てもらいたいんだ・・・・!」
「そう言われましても・・・」
基本、目立つ場所には行きたくない。
瑞希お兄ちゃんからの愛のため、暴走族で集会してるけど、人の集まる場所は嫌。
男装してるから、正体バレる危険はさけたい。
人前に出たくないんだけど・・・
(あのカンナさんが、ここまで言うのも珍しいよね・・・?)
基本、カンナさんは人の面倒を見る方だ。
頼って来いというタイプ。
私のことも、女だてらに、親衛隊長として守ると公言し、実行してくれている。
人に頼ったり、甘えたりしないカンナさんが私にそう言ってくるということは・・・・
(よほど、大事なことに違いない・・・!!)
「カンナさんがそこまで言うなら、僕行きますよ?」
断る理由なんてない。
同意すれば、もじもじしていたカンナさんが嬉しそうに顔を上げる。
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