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愛おしくも、愛しすぎて憎めない相手は、私の真面目な話を笑い飛ばすばかり。
その姿に、後でしつこいくらい違うと説明しようと決める。
そしたらカンナさんが言った。
「そういうわけで、凛!鬼桜の集会行くのは、他の奴らに言うなよ?」
「え?なぜです?」
「考えてみろよ!凛に忠義を誓う可児と関山に、凛の命令しか聞かない幡随院、声がデカすぎる五十嵐が知れば、ついてきて大騒ぎだろう?凛の撮影会、ばれちまうじゃんか!?」
「え?カメラ持ってかなきゃいけない集まりですか?」
「ばか!凛がとられる側だよ!」
「はあ!?なんで!?」
「なんでって・・・他所の族にお呼びがかかるって、オメーが有名人の人気もんだからだろう?一緒に写真撮ったり、だべりたいって思ったんじゃねぇの?」
「そうなの、瑞希お兄ちゃん?」
「うーん、一緒に走るってのがメインだが・・・・凛ぐらいになると、そうなるかもな。」
そう言いながら私の頭をなでる瑞希お兄ちゃん。
(それもどうなんだろうと思うけど・・・・・瑞希お兄ちゃんがなでてくれたからいっか。)
〔★凛は疑問をスルーした★〕
「あのさ、凛・・・ここまで話してあれだけど、嫌なら断っていいぞ?」
「え?」
「凛が人前に出るの嫌がってるのは、あたしも知ってるから・・・。」
「それなのにこういう風に言うってことは、その友達がカンナさんにとって大切な子なんでしょう?」
「凛!?」
「だったら、行くしかないじゃん?俺の大事な親衛隊長のお願いだからね?」
目を見開くカンナさんに、男の子モードで言う。
「く、くせぇーセリフ言うな馬鹿!!」
「え!?なんで!??」
これに相手は、顔を真っ赤な顔で怒る。
「いいから、明日はこっそりしたくして待ってろよ!迎えに来るからな!!」
そう言い残して、お店から飛び出すカンナさん。
「僕、悪いこと言いましたか・・・?」
「自分で気づけば?色男ー?」
隣にいる瑞希お兄ちゃんに聞けば、ニヤニヤしながら頭をガシガシと撫でられた。
その表情で、きっと私はよくないことを言ったとわかったが、乱暴なナデナデをされ、これもこれでいいかもしれないと思った。
〔★世間ではこれを、問題の先送りという★〕
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