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「五十嵐のとこで時間潰してたのか?」
「ええ、まあ。」
「よくあんな事故物件でくつろげるな?」
(いや、私も嫌だよ。幽霊物件は嫌だけど、着替えるのに都合の良い場所だし・・・)
「物好きだよな~それとも、なんか理由でもあるのか?」
「え!?あ、あるわけないですよ~」
確信に迫る問いに、口から心臓が出るぐらいドキッとする。
「おい、声がうわずってんぞ?どうなんだよ?」
「な、ないですよ!ただ、その~」
ヤバい!
この話題から離れないと!
「なんだよ、やっぱり訳ありか?」
「えー・・・・あの、だって・・・・・ヤマト1人だと寂しいって言うので・・・。」
「ウサギかよ!?ガタイが良いのに、あいつはビビりなのか!?」
「な、内緒にして下さい!」
必死で誤魔化そうとした結果、ヤマトが寂しがり屋だと言ってしまった・・・
後でヤマトに言って、口裏を合わせてもらわなきゃ・・・!
「凛も人が良いよなー?ぼっちが嫌なら、フェリチータに来させればいいだろう?あそこなら、必ず誰かいるんだからよ。」
「・・・言っておきます。」
「じゃあ・・・今夜はよろしくな。」
「はい。案内の方、よろしくお願いします。」
互いに顔を見合わせてエンジンをかける。
ギュワアア!!
バウンバウン!
カンナさんに誘導されて、キレイな夕焼けに向かって走り出した。
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