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「万が一、はぐれた時のために地図で行き先を設定しておいたからな。」
「ありがとうございます!さすが、カンナさん!」
「ホントオメーは・・・・まっ、凛はあたしが守ってやるから、安心しろよ。この先をくだったら、『伽藍道(がらんどう)』の検問らしいからな?」
「はい!頑張りましょうね!」
バイクにまたがるカンナさんに続き、アクセルを踏んで道路に戻る。
並んで走りながら、カンナさんに聞いた。
「鬼桜って、カンナさんの友達のチームですよね!?レディースですか!?」
「ああ、喧嘩中心のチームだよ!血の気も多い。」
「へぇ~そうなんですか。」
「頭張ってるサクラ・・・ダチは、男は嫌いだが、筋の通った硬派は好きなんだよ・・・。だから、その・・・凛のことも、気に入っちまってるっていうか、夢見てるっていうか~」
「嫌われてはないんですね?」
「むしろ、凛の信者みたいな感じだぜ。仲間や後輩の前では隠してると思うけど。」
「僕、信者の募集も教祖もしてませんけど?」
「わぁーてる!いつも通りしてくれればいい。女の言いなりになる男は嫌いだから、すぐに熱も冷める。」
「はぁ・・・?わかりました。カンナさんがそう言うなら・・・。」
パー!パー!パー!
親友の言葉に同意した時、前方で派手なコール音がする。
見れば、数台のバイクを、その3倍の数の単車が囲んでいた。
「カンナさん、あれ!」
「検問だよ。」
呆れ気味に言うと、スピードを落とす。
「お前ら止まれ!」
鉢巻をした男・・・・ヤンキーの指示に従い、単車を停止させた。
すぐに私達のバイクを囲みに来るヤンキー達。
(『伽藍道(がらんどう)』だ。)
特攻服に刺繍された文字を確認したら言われた。
「他県ナンバーじゃねぇか!?何しに来た!」
「ツーリングに来たんだよ。兄ちゃん達、『伽藍道(がらんどう)』の人?とりものでもしてんの?」
カンナさんが答えれば、太ってる奴がその顔をのぞき込む。
「美人じゃんか?この後ヒマか?付き合えよ!」
「ヒマどころか、予定より遅れてるから急いでんだよ!通してもらうぞ!行こうぜ!」
「あ、はい。」
私を見ながら言うと、『伽藍道(がらんどう)』の男達を無視して出ようとするカンナさん。
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