339人が本棚に入れています
本棚に追加
バリオスの調子が良かったおかげで、『伽藍道(がらんどう)』を簡単に引き離せた。
というよりも、将棋倒しをしたので、追って来れなかったと言っていい。
「これからどうしよう・・・」
別れて脱出したので、カンナさんは側にはいない。
でも大丈夫。
さっきカンナさんが、携帯に目的地を入力してくれた。
だから、迷わず行くことは出来る。
(とはいえ、前にもこんなことがあったような・・・?)
〔★詳しくは【彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)】をご覧ください★〕
スマホを頼りに名取公園へ向かう。
(情報があるとはいえ、知らない土地で1人になるのは心細いなぁ~)
気持ち的には、初めてのお使い気分。
(あ!そういえば・・・・こう言う時、気をつけなければいけないことがあるって、瑞希お兄ちゃん言ってたよね?)
「そうだ!?ガス欠!」
赤信号で止まりながら残量を確認。
心配するほど減ってはいないけど・・・
(ここが地元なら、上手なルート走行も、燃料の使い方もできる。だけど知らない土地なら、必要以上に走る場合が多い。だから、燃料は常に満タンにしておけって言われてたんだった!)
幸運なことに、数メートル先にガソリンスタンドがあった。
有人だったけど、お金がかかるけど、安全には変えられない。
-金は働けば戻ってくるけど、時間は戻って来ないんだぞ、凛!-
(それが瑞希お兄ちゃんの教え!瑞希お兄ちゃんから私への愛♪)
ドキドキしながら、バイクを押して公道から出る。
カンナさんみたいな軽装で来ればよかったと思いながら、単車をガソリンスタンドへ押し込んだ。
「いらっしゃいませー!」
「満タンでお願いします。」
シルキロールが張り付くのはがしながら、いっぱい入れてくれるようにお願いする。
「かしこまりましたー!」
有人ガソリンスタンド、少し年上の男性スタッフが給油してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!