339人が本棚に入れています
本棚に追加
もらったバイクの手入れを、なぜかお兄ちゃん達が・・・百鬼が手入れをあまりさせてくれない。
俺様に任せろ!!と言うので、お任せしているが・・・
「しかし、本当に良い仕上がりのバイクだね~?ほぼ、オリジナルにしちゃってる?これマジで気をつけないと、バラさないでバイクをそのまま持って行かれるよ?」
さすがに自分でしていない気まずさから、話題を変えた。
「いや、あの、バイクをそのまま持って行かれるとかは~警察もいるし、おおげさじゃないですか?褒め言葉としては、すごく嬉しいですが~」
「いやいや、からかってないよ!真面目な話だって!警察は『伽藍道(がらんどう)』を追うのに必死で、パーツ泥までは手ぇいっぱいだからさ~」
「え!?そんなに手癖が悪いんですか・・・?」
「おかしな話だけど、この辺りじゃ、それが普通だよ。バイクをバラされないで持ってかれた奴は、センスが良いってヒーロー扱いだよ。ほら、満タンだよ。」
そう言って燃料口をしめてくれるガソリンスタンドのお兄さん。
「バイクが大事なら、『伽藍道(がらんどう)』に見つからないようにな?グッドラッグ!」
「は、はい!ご親切にありがとうございました。お兄さんの言う通りにします。」
「ははは!単車を転がしてるタイプにしては、めずらしい礼儀正しい奴だな?ほら、おまけだ。気をつけろよ?」
お金を出したら、おつりと一緒にアメをくれた。
それで、ありがとうございます!と1トーン高く言えば笑われた。
前の車が道に出るのを待つ間、カンナさんが入力してくれた地図情報を確認する。
(この道を・・・とにかく真っ直ぐ進めばいいのね。)
わかったところでスマホをしまう。
親切な店員さんに見送られて公道へと出た。
交通マナーは悪くないが、時折パトカーが通りすぎていく。
ビクッとするけど、バラさんじゃない。
バラさんの仲間だけど、バラさんじゃない。
〔★ただしくは、同業者だ★〕
最初のコメントを投稿しよう!