339人が本棚に入れています
本棚に追加
〈お兄ちゃん、凛がビシッと決められるように祈っててやる。あと、絶対にナンパはするなよ!?〉
「しません!僕は硬派で、瑞希お兄ちゃん一筋なんですから!」
〈ははは!じゃあ、浮気の心配はないな?安心したぜ。〉
「当然ですよぉ~!」
〈高千穂を大事にするんだぞ?俺は一途な凛が好きだからな?〉
「は、はい!僕も大好きです!」
(きゃあ~!好きって言われた!嬉しい~!)
〔★お互いの主張は違うが、話は成立していた★〕
ナチュラルに好きとか!!
出会った頃と比べて、かなり進歩してきてるよね!?
〈じゃあ凛、気をつけていけよ。〉
「はい!瑞希お兄ちゃんも、しっかり休んでラストまで持ちこたえて下さいね!?」
〈ありがとな。凛、無事に帰ってきたら、コーヒー飲ませてやるから。〉
「はい!頑張りま~す!」
〈おう、またな?〉
「またなのです~瑞希お兄ちゃん♪」
好きな人との電話が終わる。
さっさとあいさつを済ませて、瑞希お兄ちゃんの元へ帰ろう♪
そして、ナデナデしてもらって、つかれたと言って抱き付こう。
(弟力を発揮して甘えよう!)
甘い香りのする彼のにおいに包まれて~
ブッブッパー!ブッブッパー!
「う!?ゲホゲホっ!?」
好きな人の香りに包まれる前に、ひどい排気ガスを浴びる。
「な、なに!?」
黒い煙にむせていれば、うるさい音と共にバイクの軍団が目の前を通過していく。
ブッブッパー!ブッブッパー!
「ん?あの特攻服は・・・?」
(『伽藍道(がらんどう)』?)
ファンファンファン!
奴らに続くように、パトカー3台も走り去る。
「『伽藍道(がらんどう)』が、追われてる・・・・・。」
追ってる方はそうでもないけど、追われてる方がすごい数。
(てか、迷惑ね。)
そんな思いで眺めたのが数秒ほど。
だから、次に起こったことが理解できなかった。
「オラ!」
「ぎゃあああ!?」
「え!?」
突然、バイクから人が落ちた。
ガン!キキー!
落ちたのは、二ケツしていたうちの後ろに乗っていた方。
見事に、追っていたパトカーと人身事故を起こしてしまった。
ドン!
「や、やめてくださ!」
ドン!
「なにしやが―――――!?うわあ!」
追加で、2人ほど突き落とされた。
それで、追っていたパトカーすべてが急停止する。
最初のコメントを投稿しよう!